NKSSG
NakaKen Static Site Generator

WordPressとの比較

WordPressとの比較

ここでは、NKSSG と WordPress とを比較し、できなくなること、逆にできやすくなることなどを説明していきます。

特に、WordPress から移行する前に、「何ができなくなるか」を確認しましょう。できなくなることの中に、あなたにとって致命的なものがあれば、そもそも検討の余地はありません。致命的なものがなければ、NKSSG を使ってみて、ぜひ移行を検討してみてください。

WordPressにできてNKSSGにできないこと

NKSSG を使って新しくサイトを作る人もいれば、WordPress から NKSSG へ移行したいと考えている人もいると思います。しかし、WordPress ではできていたが、NKSSG だとできなくなることはあります。

ユーザーからの入力を受け取る処理

NKSSG は最終的に静的ファイルを作成します。そのため、ユーザーからの入力を受け取る処理の多くはできなくなります。

例えば、検索機能は難しいです。NKSSG では、Googleカスタム検索を推奨しています。修正内容がすぐには反映されないなどのデメリットもありますが、静的サイトにおける検索ではベストな解だと思います。

一応、Algolia や、自分でプラグインを作って lunr を使うことで検索機能をつけることはできますが、ハードルは高いです。

コメント機能は、Disqus というサービスが有名です。静的サイトにコメント機能をつけるなら、これ以外の選択肢はあまりありません。今までに WordPress で作っていたサイトへ投稿されたコメントを、そのまま引き継いで表示することは難しいでしょう。

フォーム機能も、WordPress ではプラグインを用いて作っていた人もいると思いますが、静的サイトでは難しいです。必要な場合は、Google フォームなどで代用しましょう。

また、WordPress で ECサイトを運営している人もいるでしょうが、NKSSG ではできません。

動的な処理

NKSSG は静的ファイルを作成するため、動的な処理ができなくなります。

例えば、予約投稿はできなくなります。サーバー側でうまく設定すれば公開記事を調節できるかもしれませんが、基本的にはできないと考えておいた方がいいです。

また、ユーザーによって見せる画面を変えること、例えば、パスワード保護などもできません(BASIC認証で代用できなくはないですが)。会員のレベルに応じて見せる内容を変えることなども難しくなります。

ブログによくある、ping 機能やトラックバック機能もありません。

その他

他には、NKSSG の能力的にできなくなることはあります。

例えば、記事の分割ができなくなります。一つの記事を複数に分け、nextpageで分割することはできません。

多言語化もできません。

また、プラグインを使ってできていたいろんな機能は、ほとんどが使えなくなります。NKSSG にもテーマ機能やプラグイン機能はあるので、機能を追加することはできますが、自作していくしかありません。

よくなること・できやすくなること

ここまではできなくなることを挙げてきましたが、逆に、できるようになること、簡単になることもあります。

セキュリティ面

静的サイトジェネレータ全般にも言えることですが、セキュリティリスクが下がります。

NKSSG では、コンテンツはすべてあなたの PC の中にあります。WordPress では「サイトにログインする」必要がありましたが、NKSSG ではその必要はありません。

データベースもありません。コンテンツはローカルのPC内にあるためです。データベースではなく、ファイルで管理します。

オンライン上でサイトやデータベースにログインする必要がないため、セキュリティは相対的に安全になります。

この他、静的サイトジェネレータ全般にいえることは、次の記事にも書いています。

静的サイトジェネレータとは 静的サイトジェネレータとは

階層型のサイト作成

WordPress でも、階層型のサイトを作ることはできます。しかし、階層型のサイトを作るなら、同じ階層型で記事を管理できた方がいいでしょう。

NKSSG では、フォルダの階層を利用して、階層型のサイトを作ることができます。しかも、この階層と URL を、連動させることも連動させないことも可能です。柔軟な URL 管理ができます。

また、フォルダやファイルの順番を簡単に管理できる機能や、記事間のリンクの管理を簡単にできる機能もあります。

画像の管理

記事に画像を貼り付けたいこともあるでしょう。NKSSG では、画像を記事ファイルと同じフォルダ内で管理することができます。

静的サイトジェネレータの中には、記事のファイルと画像のファイルを分けて管理しないといけないものもあります。NKSSG ではその必要がないので、画像の管理は楽になります。

WordPressにあったアレはある?

WordPress から移行するにあたり、この機能に該当するものはどこにあるのか、について説明していきます。

投稿タイプ

投稿タイプとは、記事の種類のことです。記事の性質によって分けたものです。投稿タイプごとに、記事を日付順に並べたり、階層化したりできます。

WordPress には、投稿(post)、固定ページ(page)といった投稿タイプがあります。また、カスタム投稿タイプという、ユーザーが独自に追加できる投稿タイプもあります。

NKSSG にも、投稿タイプがあります。デフォルトでは、post と page があります。docs フォルダの直下にあるフォルダを、自動的に投稿タイプと認識します。つまり、カスタム投稿タイプにも対応しています。しかもフォルダを作るだけなので、追加は簡単にできます。

NKSSG では、投稿タイプごとに、パーマリンクをどうするか、日付アーカイブと階層型のセクションアーカイブのどちらを作るか、などを設定することができます。

タグやカテゴリー

一般的なブログサービスには、記事を分類するためのタグやカテゴリーという機能があり、WordPressにも用意されています。また、ユーザーが独自に追加できる、カスタムタクソノミーという機能もあります。

NKSSG でも、タグやカテゴリーといったタクソノミー(分類方法)を使うことができます。タグやカテゴリーの名前、スラッグ、親子関係は、設定ファイルで行います。各記事にタームを設定するには、各記事の設定(フロントマター)を使います。

デフォルトではタグとカテゴリーが使えるようになっていますが、設定ファイルに追加するだけで他のタクソノミーも使えるようになります。つまり、カスタムタクソノミーにも対応している、ということです。

WrodPress では投稿者一覧が使えますが、NKSSG では投稿者もタクソノミーの一つとして扱うことができます。

カスタムフィールド

WordPress では、記事の編集画面に、タイトルや公開日時など、いろいろな設定項目が表示されます。また、ユーザーが設定項目を追加できる、カスタムフィールドという機能もあります。

NKSSG には、編集画面はありません。記事のメタ情報(タイトルなど)は、ファイルの上部に記載します。1行目に「---」(ハイフン3つ)を追加し、次に「---」が出てくるところまでが、メタ情報を記載する場所になります。

設定できる項目はいくつかありますが、どの項目を設定するか、項目名は何か、などをいちいち覚えておくのは大変です。そのため、ひな型から記事ファイルを作る機能を用意しています。

また、メタ情報に独自の内容を設定することもできます。その値は、記事本文で使ったり、テーマ内で使うこともできます。つまり、カスタムフィールドにも対応している、ということです。

おわりに

ここでは、NKSSG と WordPress との比較について見てきました。特に、WordPress から移行する前に、「何ができなくなるか」を把握しておきましょう。できなくなることの中に致命的なものがなければ、移行を検討してみてはいかがでしょうか。